金・銀プリント【加工方法徹底解説】

金・銀プリントは、シルクスクリーンプリントのオプション加工で、アルミニウム等の微粒子を含むメタリック系インクやメタリック顔料を用いて金属感(ゴールド・シルバー)を表現する技法。

光の角度で光沢やクローム的な反射を見せ、ブランド系・高級感演出に使われる。

特徴・仕上がり

金・銀プリントは主にプラスティゾル系のメタリックインク(微細金属フレーク混合)や、より特殊なパール系配合で構成されます。

インク中の金属フレークが光を反射して“メタリック感”を作るため、角度や照明で見え方が変化します。

濃色ボディでは白下地(白引き)を入れて発色と輝きを引き出すのが一般的で、仕上がりは厚めになりやすく独特の立体感・ツヤ感が出ます。

柔らかい風合いを保つソフトメタリックや、よりクロームに近い光沢を狙う配合など、メーカーごとのフォーミュラ差が現場での再現性を左右します。

メリット・デメリット

■メリット

高級感・視認性の向上

金銀の反射でワンランク上の見栄え。ロゴやアクセントで効果的。

・既存のシルク工程で導入しやすい

特殊設備なしで対応できるケースが多く量産性に向く。

・幅広い表現(ツヤ〜クローム調)

フレーク粒子や配合で“鈍い金属光”から“光沢の強い銀”まで調整可能。

 

■デメリット

・光沢は箔(フォイル)ほど強くない

ホットスタンプや箔転写と比べると鏡面感・光沢度は劣ります。

細部再現の限界・厚みが出る

粒子混入のため細線や写真表現は潰れやすく、厚めの手触りが残ります。

・工程上の注意(下地・キュア・メッシュ管理)

白下地の有無、適正キュア温度、メッシュ選定などで色味や耐久性が左右される。

・経年変化

摩擦・洗濯・長期UVで輝きは若干変化するため、洗濯表示やケアが必要。

おすすめの用途

ブランドロゴ、ショップ限定アイテム、ライブ・舞台衣装、卒業・記念Tシャツ、パッケージ風デザインなど、「高級感・目立ち度」を求めるワンポイント〜中面積のベタ表現がおすすめ。

FAQ

Q1. メタリックインクと箔(フォイル)の違いは?
メタリックインクはインク層に金属フレークを含むため布に馴染む柔らかさが出せ、量産向き。一方フォイルは箔を熱接着するため鏡面の光沢が強く、高級感は大きいが工程・コストが増えます。

 

Q2. 濃色ボディに直接印刷できますか?
多くの場合は白下地(白引き)を入れてから金銀を重ねます。下地の有無で発色と輝きが大きく変わります。

 

Q3. 洗濯耐久性は?
適切に定着されていれば通常の洗濯に耐えますが、強い摩擦や長期UVで光沢が鈍ることがあるため、裏返しネット洗いなどのケア推奨。

 

Q4. どのくらい細かい表現まで可能ですか?
粒子のサイズやメッシュで変わるが、極細線・ハーフトーン・写真再現は苦手。ロゴやベタ面での利用が現実的。

歴史

金属系の表現は印刷・塗装史とともに長く、19〜20世紀にかけて金属粉やパール顔料が塗料や印刷インクに取り入れられてきました。

テキスタイル分野でのシルクスクリーンへの応用は、プラスティゾル系インクの普及と粒子技術の進化(微細金属フレークの安定分散化)により実用化が進み、20世紀後半からアパレルのデザイン表現として定着しました。

近年は「より鏡面に近づける配合」や「ソフトハンドで伸縮性のあるメタリック処方」、箔技術とのハイブリッドなど、表現と耐久性を両立する製品開発が進んでいます。

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