カッティングシート圧着プリント【加工方法徹底解説】

カッティングシート圧着プリントは、色付きのビニールやポリウレタン系のシートを使用する加工方法です。

カッティングプロッターでデザインを切り抜き不要部分を取り除いたのち、熱と圧力をかけて生地に圧着し、しっかりと定着させます。

単色から多層まで表現でき、ユニフォームの背番号やネーム入れに多く利用されています。

特徴・仕上がり

色と質感を持つ「カッティングシート」自体を切り出して貼るため、仕上がりはエッジがシャープ。単色ロゴや大きな文字、背番号などの視認性が高いのが特徴です。

シートの素材は主にポリウレタン系の柔らかいものやPVC(塩化ビニル)系のやや硬めのものがあり、フロック(起毛)・グリッター・メタリック・反射材・3Dパフ(盛り上げ)など多彩な表現が可能です。

デザインは細かすぎるとカット・ウィーディングで破損しやすく、最小線幅や角のR処理が必要になります。貼り付けは転写(ホットプレス)で、温度・圧力・時間・剥離(ホットピール/コールドピール)をシートに合わせて設定します。

耐久性は高く、スポーツユニフォームなどでの使用実績が豊富です。

メリット・デメリット

■メリット

・視認性・シャープな仕上がり

エッジがくっきり出るためロゴ文字や背番号に向く。

・耐久性が高い

適切な圧着で洗濯や摩擦に強く、剥がれにくい。

・小ロット・個別名入れに強い

版を作らないため1枚から異なるネームや番号を簡単に作れる。

・特殊表現が豊富

グリッター、フロック、メタリック、反射、パフ(立体)など多彩。

 

■デメリット

・細かい表現に弱い

極小文字や細線、複雑な写真表現は不可。カット・ウィーディングの限界がある。

・プリント面の「手触り」が出る

シート厚や種類によっては生地感が変わり、通気性や伸縮性に影響する。

・多色はレイヤーで工数増

多色表現は色ごとにカットして重ねるため位置合わせや工程が増え、ずれや段差に注意。

・素材制約と熱ダメージ

高温プレスが必要なタイプは熱に弱い素材(特殊コーティングや一部ナイロン等)で使えない場合がある。

・量産時にコストがかかる

同一デザインを大量生産する場合、シルクスクリーンや他の転写方法の方が有利。

おすすめの用途

ユニフォームの背番号・選手名、ワンポイントのロゴ・ショップ名、少量のカスタムネーム入れ、イベント物販やノベルティ、反射やグリッターなどの特殊表現を活かす場合に最適です。

小〜中ロットでの個別対応におすすめです。

FAQ

Q1. どんな素材に貼れる?
綿・綿混・ポリエステルなど一般的な繊維に対応。ナイロンや撥水加工生地はシートの種類が限定される場合もあります。

 

Q2. 洗濯で剥がれますか?
正しい温度・圧力・時間で圧着し、剥離方法(ホット/コールド)を守れば日常洗濯で問題ない耐久性が得られます。ただしドライヤーや強い漂白は避けてください。

 

Q3. 写真やグラデーションのプリントはできますか?
基本的にできません。写真・グラデはインクジェット・DTF・昇華などの「面で表現する」方式が適しています。転写可能なプリンタブルビニールも工数・色再現で制約があります。

 

Q4. ホットピール/コールドピールって何?
圧着後にキャリア(透明フィルム)を熱いうちに剥がす(ホットピール)か、冷めてから剥がす(コールドピール)かを指し、シート特性や仕上がりに影響します。

歴史

「熱転写/鉄板転写」といった技術は20世紀中盤から存在しましたが、カッティングシートとしての普及はカッティングプロッターと熱プレスの普及と並行して進みました。

1970〜80年代以降、看板用の塩ビ・ラミネート技術が発展し、フィルム材の種類や耐熱接着剤が改良されることで衣料用途へ応用されました。

1990年代〜2000年代にかけてカッティングマシンや低温で圧着できるポリウレタン系のシートが登場し、個人/小規模事業者でも簡単に扱えるように。

現在では多様な特殊材(フロック、グリッター、反射、プリンタブルシート)が製品化され、ユニフォームやアパレル、クラフト用途まで幅広く定着しています。

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