インクジェットプリント(DTGガーメントプリント)【加工方法徹底解説】

インクジェットプリント(DTGガーメントプリント)は、専用の衣料用インクジェットプリンターでTシャツに直接印刷する方式です。

CMYK+白インクの水性顔料を用い、暗色生地では前処理と白下地で発色や再現性を高めます。

写真や多色デザインも小ロットから鮮やかに再現できるため、オリジナルTシャツ制作で人気のプリント方法です。

特徴・仕上がり

インクジェットプリント(DTG)は、水性顔料インクを直接Tシャツの繊維に定着させるデジタル方式です。

暗色生地では前処理を施して毛羽を抑え、白インクを下地に敷くことで色の鮮やかさと細部の再現性を高めます。

印刷解像度は最大1,200dpiクラスに対応し、写真やグラデーションも滑らかに表現できます。

白Tシャツではインクが繊維になじみ、柔らかい風合いに仕上がります。

一方で濃色Tシャツは白インク層が入るため、発色は良いものの若干厚みを感じることがあります。

いずれも適切に熱処理することで洗濯耐久性を確保でき、デザインを長く楽しめるのが特徴です。

メリット・デメリット

■メリット

・小ロット対応

版を作成する必要がないため、1枚からでも印刷可能。多品種少量生産やオンデマンド販売に最適です。

・フルカラー・写真対応

多色デザインや写真、グラデーションもそのまま高精度に再現できます。イラストや写真表現に強いのが特徴です。

・自然な風合い

白Tシャツではインクが繊維になじむため、柔らかい仕上がりになります。生地感を活かせるのも魅力です。

・データ入稿後すぐ印刷可能

版を作る必要がなく、データをそのまま出力できるため、デザイン変更やサンプル制作もスピーディーです。

 

■デメリット

・大量生産には不向き

1枚ごとの印刷時間が長く、大量ロットではシルクスクリーンに比べて効率が劣ります。

・濃色生地での制約

濃色生地のTシャツには前処理と白インク下地が必須で、仕上がりに若干の硬さや厚みが出る場合があります。

・素材の適性差

綿には安定して印刷できますが、ポリエステルやナイロンは発色・耐久性に課題があり、専用処理が必要です。

・蛍光色・特色の再現不可

CMYKインクの特性上、蛍光色や金銀などの特色は再現できず、近似色での表現となります。

おすすめの用途

フルカラーのデザインや写真を忠実に再現するのに最適です。

1枚から作成できるため、イベントや推し活グッズ、チームユニフォームの試作、テストマーケティング用サンプルなど、多品種小ロットの制作に向いています。

FAQ

Q1. なぜ濃色Tに前処理と白インクが要るの?
水性顔料は生地色に沈みやすいため、前処理で繊維を整え化学反応を促し、白下地でCMYKの発色と細部再現を支えるためです。

 

Q2. 何枚くらいから向いている?
版代がないため1枚の小枚数からプリントが可能です。対して大量同柄ではシルクスクリーンプリントの方が速くなります。

 

Q3. 綿以外にも刷れる?
可能ですが難度は上がります。特にポリエステルは昇華移行等の課題があり、専用前処理や対応機が前提となります。

 

Q4. 洗濯耐久性は?
適正な前処理・印刷・熱硬化を行えば日常洗濯に十分耐えられます。裏返し・低温洗い等のケアで風合いと色を保つことができます。

 

Q4. 推奨データ解像度は?

原寸300dpi程度のラスター(透過PNGなど)が一般的な目安です。

歴史

インクジェットプリント(DTG)は1996年、DIS社がマシュー・ロームの発明を基に商用機“Revolution”を発表したのが出発点。

彼の特許は2000年に米国で成立。2004年前後に各社が参入し、2005年にはBrotherが“GT-541”を発売、白インクの普及で濃色対応が進展。

2013年にはEpson F2000が登場し、安定性や運用面が大きく改善、以後オンデマンド市場の伸長とともにインクジェットプリント(DTG)は広く普及しました。

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