こむらなるなりさん

高校時代の“鬱屈”な感情が原動力⁉︎「悪意1000%」のデザイナーはTシャツへの愛情で溢れていた

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「悪意1000%」は、悪意を“オモシロ”に変える独自の切り口でオリジナルTシャツを展開しています。

 

デザイナーの「こむらなるなり」さんは、インディーズTシャツブーム真っ只中の2000年にブランドを立ち上げました。これまでに発表したTシャツデザインは200点以上!漫画家のみずしな孝之さんとのコラボTシャツも手がけるなど、さまざまな切り口で展開しました。ネタTシャツのカルチャーを牽引するブランドとして、今もなおエッジの効いた作品を生み出し続けています。

 

独自のコンセプトはどのように生まれたのでしょうか?また、18年もブランドを続けてきたこむらさんにとって、オリジナルTシャツの魅力とは?ご本人にお話をうかがってきました。

引きこもり時代の鬱屈した思いが「悪意1000%」を生み出した

こむらなるなりさん

 

ーーこむらさん、今回はよろしくお願いします。早速ですが、こむらさんが「悪意1000%」を立ち上げた理由を教えていただけますか?

 

こむらさん(以下、こむら):私は昔から絵を描くのが好きで、20代前半の頃は漫画家として活動し、雑誌で数ページですが連載も抱えていました。しかし、もっと自分に合った表現があるのではと模索するようになり、小説を書いてみたり、コントライブをやってみたり……いろいろなことに挑戦しました。その中で、オリジナルTシャツを作ったとき、「これだ!」と、すごくしっくりきたんです。

 

ーーなぜTシャツ作りがこむらさんに“しっくり”きたのでしょうか?

 

こむらTシャツは漫画よりも、自分の“鬱屈した瞬発的な感情”をストレートに表現できたからだと思います。私は高校生の頃、クラスの雰囲気に馴染めず、1年半学校に通っていませんでした。六畳の自分の部屋で引きこもりの生活を送る中、そのフラストレーションを何かの形で表現したいという思いがあったんです。

 

豆腐鷲掴みTシャツ

憤りをオモシロに変える。Tシャツデザインの秘密

ーー悪意1000%のTシャツにそこまで“悪意”を感じないデザインもあるのですが……

 

こむら:むしろ、そう感じてもらえると嬉しいです。ネガティブな思いをそのまま表すのではなく、ポップに面白く表現することがブランドの裏テーマです。誰かを貶めたり、否定したりするようなものを作るつもりはありません。例えばこのデザインは、何を意味しているのかわかりますか?

ハロウィンTシャツ

 

こむら:オレンジのボディと「HELLOWEEN」の英字で、一見するとハロウィンTシャツのみたいでしょ?でも、英字の上にデザインしたのはお盆になすときゅうりで作る精霊馬。ここ数年で巷ではハロウィンが急に盛り上がり、各地で仮装パーティーなんかも開催されますが、『ハロウィンもいいけど日本人ならお盆を大切にしようぜ!』という私なりのアンチテーゼを込めてみました

 

ーー面白い発想ですね!直球で表現しないのは、こむらさんの“人の良さ”でしょうか?

 

こむら:いや、そんなことはないと思います。(笑)心の内側にあるパンク(反骨的)な精神は昔から変わりません。

でも、メッセージを違った切り口から伝えることで、たくさんの人に楽しんでもらえるTシャツにしたいとは思っています。メッセージをそのままプリントしたり、ただ面白い言葉が書いてあったりするだけだと、本当にそれに共感する一部の人……つまり、オタクな方しか手にとってくれません。やっぱりたくさんの人に着てほしいので、表現方法はすごく考えます。

溢れるラーメン愛をTシャツで表現!悪意のない新たな世界に挑戦

こむらなるなりさんとTシャツ

 

ーーブランドを立ち上げて18年経つそうですが、ネタに困ることはないですか?

 

こむら:コンセプトやデザインはどんどん浮かぶので、その点に問題はありませんが、ここだけの話……“悪意”以外のエネルギーでもTシャツを作りたいと思うようになりました。私自身、昔とは生活も変わってきたし、今は昔のように常に鬱屈した想いを抱えているわけでもありません。悪意1000%のTシャツを着てくれるファンの人ができたり、Tシャツを通してたくさんの人と出会ったり、幸せなことがとても増えました。そして、最近初めて“愛”を原動力にした新作を発表しました!それがこちら。

黄色いTシャツ

 

こむら:ラーメンTシャツです!私はラーメンが大好きで、よく仲間と食べ歩きに行ったりするんです。このTシャツは、九州ラーメンの“麺の硬さ”を、それぞれ違うデザインでバンドロゴのように並べ、音楽のフェスTシャツ風に仕上げてみました。ラーメンマニアの方にかっこよく着てもらえる一枚に仕上がったと思います。

 

ーーでは今後はラーメンTシャツのように「愛1000%」な作品も増えていきそうですか?

 

こむらいや、これまでのファンの方のためにもメインコンセプトは変えず、『悪意1000%』です!(笑)愛のある作品はその中の数%で。Tシャツは喜怒哀楽どんな感情でも表現できる、懐の広いツールですね。

 

ーーそれでは最後に、今後の目標などを教えてください。

こむら:ブランド立ち上げから18年、なんとか続けてこられました。とりあえず今は20周年を目標に、これからも刺激的な作品を生み出し続けていきたいです。そして、『悪意1000 %に憧れてTシャツ作りを始めました!』みたいな新しいブランドが出てきてくれたらすごく嬉しいですね。

 

 

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こむらさん、素敵なお話をありがとうございました!

こむらさんは今でも、当時引きこもっていた六畳の部屋で、日々世の中に向けてTシャツを作り続けています。

『悪意1000 %』のTシャツは、青年のフラストレーションを外に向けて発信し、青年と外の世界を繋いでくれました。

 

Interview & Writing & Photo:下條信吾(KaRaLi・Tropicos)

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【取材協力】悪意1000%

ホームページ:https://www.akui1000.com

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