「女子高生 × 世界遺産」!オタクな世界観もポップに表現してしまうTシャツの不思議な魅力「リボン色の世界遺産」

日本独自のオタク文化。数年前までは一部のマニアが楽しむような陽の当たらない存在でしたが、今では世界的にも注目されるカルチャーとして市民権を得るようになりました。

 

「リボン色の世界遺産」は、「女子高生 × 世界遺産」をテーマにしたオリジナルデザインのTシャツや雑貨を展開しています。

 

 

 

かなりマニアックなコンセプトなのに、実際にデザインを見てみると印象はポップで、その世界に引き込まれる……。

 

このコンセプトはどうやって生まれたのでしょうか?デザイナーのバラ色のクマタローさん(以下、クマタロー)にお話を聞いてみました。

 

「女子高生 × 世界遺産」新しいモノの見方を提案したい

 

2015年にスタートした「リボン色の世界遺産」。秋葉原のフリーマーケットなどで細々と出店を始めてから徐々に人気を集め、最近では「デザインフェスタ」や「Tシャツ・ラブ・サミット」といった大型イベントの常連に。これまでにデザインしたTシャツは約60点。つまり、世界遺産60箇所と女子高生の組み合わせを発表してきました。

子どもの頃から絵を描くのが好きだったというクマタローさん。大学では美術部に所属していました。それから一般企業に就職し、しばらく絵を描くことから離れていましたが、とあることがきっかけで長年のブランクを経て再びペンを持ったそうです。

 

「大学を卒業後いくつかの企業で働き、15年くらい経ってから、Tシャツデザイン用のプリント機器やインクを販売する企業に入社しました。そこでは営業としてお客さんにTシャツ制作のデモンストレーションをする機会がよくあり、せっかくなら自作のイラストをプリントして見せようと思い、久しぶりに絵を描き始めました。」

 

もともとアニメ好きで、女の子を描くのが得意だったクマタローさん。このときはストレートに可愛い女の子を描くのではなく、自分だけの表現を探したそうです。

 

「女子高生ってすでにいろんな漫画家やイラストレーターが題材にしているので、普通に描いても絶対に敵わないんです。オリジナルの視点で新しいモノの見方を提案したいと思いました。私にとって女子高生は、『若くて自由奔放で、なおかつ身近な存在』……そんなイメージがありました。じゃあそれとは対照的に、歴史深くて格式があって、私たちと縁の遠い存在である世界遺産を一緒に描いたら面白くなるんじゃないか……そう思ったんです。」

 

カラフルな世界観を生み出すための秘密とは

 

青春の象徴であり、萌え的な要素も含む女子高生は、ある意味“危うい”テーマ。Tシャツデザインに落とし込むにあたって、クマタローさんは様々な点で注意をしていると語ります。

 

「まず、私は間違っても女子高生が世界遺産を観光しているようなイラストは描きません。キャラクターと背景がそれぞれ独立した構図で描くことで、彼女たちのフレッシュなエネルギーや本質的な部分をさらにイキイキと表現できるんです。また、色合いはできるだけ彩度の高い色を使ってカラフルになるよう心がけています。明るい雰囲気にすることで、マニアックな層だけでなく、一般の人にも受け入れてもらいやすい、ポップなデザインに仕上がります。仕事柄、プリントに使う機器の特性を理解しているので、Tシャツのボディに印刷した時に最もキレイに出る色を設定値レベルで把握しています。」

 

 

 

自分がデザインしたTシャツを銀座で見かけたい!

 

一般の人にも楽しんでもらいたいー そんな思いとは裏腹に、販売を始めてからしばらくの間は、物珍しがられるだけでほとんど売れなかったという「リボン色の世界遺産」のTシャツ。少しずつ認知されるようになった今では、意外な人が購入していくことがあるそうです。

 

「最初の頃のお客さんは、アニメ好きないわゆるオタクの男性が中心でしたが、最近は若い女性や外国人が買ってくれたりするんです。『可愛い!』と言って手にとり、部屋着ではなくお出かけの時の一着に選んでくれます。驚きましたが、これこそTシャツだからこその力。サブカル色の強い作風でもポップに表現できて、普段まったく興味がない人にもその魅力が伝わるのがオリジナルTシャツの醍醐味です。」

 

そして最後に、クマタローさんに今後の夢を聞いてみました。

 

もっと私のTシャツが認知されて、嬉しいですね。そしていつか、誰かが着ているところをこの目で目撃したいです。しかも、秋葉原みたいなオタク系の人が集まる場所ではなく、銀座とかで!(笑)それまで作り続けたいと思います。」

 

すでに60作品近くのTシャツデザインを発表してきた「リボン色の世界遺産」ですが、登録されている世界遺産の総数は1000件以上あるそうです……全件制覇を目指して、クマタローさんの次の作品が楽しみです!

 

 

Interview & Writing & Photo:下條信吾(KaRaLi・Tropicos)

 

 

世界でたった1つ。
あなただけのオリジナルTシャツを作ろう。

オリジナルTシャツをみる

【取材協力】リボン色の世界遺産

ホームページ:https://baraironokumataro.com