菊竹さん

「毎度おさわがせします パーカー」で話題に。デザインで世相を“着る”オリジナルTシャツ「ジジ(時事)」デザイナーの葛藤

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政治やスポーツ・芸能など、毎日さまざまなニュースが日本を駆け巡ります。

そんな時事ネタをモチーフにしたデザインのTシャツを手掛け、話題を集めているのが東京・吉祥寺に店舗を構えるブランド「ジジ」です。

 

他にはないコンセプトで話題を集め、テレビなどでも取り上げられたり、Amazonプライムビデオ「ドキュメンタル」で野性爆弾くっきーさんが「毎度おさわがせします パーカー」を着用したりするなど、ブランドそのものが時事ネタになっているといっても過言ではない人気ぶりです。

 

そんなジジのデザイナー、菊竹進さんにTシャツデザインに込める想いを伺いました。

「私と同じデザインはいらない」憧れのデザイナーの言葉がジジの原点

腕組する菊竹さん

 

ーー菊竹さんのデザイナーとしてのキャリアを教えてください

 

菊竹さん:父が家具工場を営んでいたので、物心ついた時から私にとってものづくりやデザインは身近なものでした。福岡の大学在学中に美術部で現代美術やデザインを学び、卒業後は印刷会社に勤めながら細々と自分がデザインしたTシャツを販売し始めました。その後、色々な仕事をしながらTシャツ制作を続け、2006年に上京して2014年にジジの実店舗を吉祥寺にオープンし、今に至ります。

 

ーーなぜ時事ネタをモチーフにしたTシャツを作ろうと思ったのですか?

 

菊竹さん:私が大尊敬するアートディレクター・信藤三雄さんの言葉がきっかけでした。信藤さんはMr.Childrenや松任谷由実、サザンオールスターズといったビッグアーティストのCDジャケットなどを手がけるすごい方で、当時私のデザインは彼の影響をかなり受けていました。

幸運なことに、東京で就職先を探していたとき、そんな信藤さんにお会いできる機会があって。いざ信藤さんに私のデザインを見せると「こういうのは私が作っているから2つはいらない。もっと自分にしか描けないデザインを生み出しなさい。」と言われ、信藤さんの事務所に就職するという夢は叶いませんでした。

でも、このときの信藤さんの言葉が「オリジナリティ」について考えるきっかけになり、それから自分が元々興味関心の高かった時事ネタをデザインのモチーフにすることを考えついたんです

 

藤井六段

「日本を少しでも良くしたい」ジジのオリジナルTシャツは世間に投じ続ける“小さな石”

 

ーーデザインを考えるにあたってモチーフにする時事ネタはどのように探していますか?

 

菊竹さん:情報はテレビやラジオ・ネットから得ています。仕事中もだいたいテレビかラジオはついているし、暇さえあればパソコンでネットニュースやSNSもチェックします。

 

ーーネタを選ぶうえで「これはTシャツにする。これはしない。」という基準はありますか?

 

菊竹さん:正直、ここ最近は有名人の不倫騒動や政治の問題、セクハラ・パワハラなど、Tシャツにしたいネタが本当に多いです(笑)。ただその中でも私がTシャツデザインのモチーフに採用するのは「Tシャツとして残したい」と思うこと。つまり、「忘れてはいけない」と思うことです。例えば、政治家のような公人が問題を起こした時、素直に謝罪すればいいのに誤魔化して逃げてしまうことがすごく多いですよね。逃げられると追っかけたくなるというか…当たり前のように嘘をついて逃げることがまかり通る国になったら、日本がダメになってしまうと思うんです。Tシャツのデザインとしてその出来事を残すことで、そんな世間に対して小さな石を投げているような気持ちです。

 

モチーフにするのはネガティブなことばかりではありません。平昌オリンピックのカーリング女子や将棋の注目の藤井聡太六段(2018年4月時点)など、私たち日本人に感動を与えてくれた出来事や、その他東日本大震災や熊本地震といった災害のチャリティー目的など、「忘れてはいけない」と思うことは全てジジのTシャツデザインになります。

 

sodaneTシャツ

日々葛藤しながら、それでもオリジナルTシャツで伝えたいこと

イメージを刷る菊竹さん

 

ーーデザインへのこだわりはありますか?

 

菊竹さん:一番のこだわりというか、気をつけているのは「デザインそのものに作者である私自身の主張は入れない」ということです。極端に偏った思想は痛々しく見えるし、カジュアルなTシャツとしてのファッション性を損ねてしまいます。あくまでその時事ネタをモチーフにするだけで、デザインに落とし込むうえではできるだけニュートラルな表現を意識しています。それからもうひとつのこだわりは「スピード感」。ネタが新鮮なうちに発売しないと意味がないので、逆にいうとネタ出しの段階からある程度イメージが湧いていないと諦めてしまうこともあります。

 

ーー事件やスキャンダルなどをネタにしているものもありますが、ご自身の中で葛藤はありますか?

考える菊竹さん

 

菊竹さん:葛藤…すごくあります。もうずっと常に葛藤してますよ(笑)。いろいろな意見の人がいるので、ジジのデザインを見て不快に思う人もいるかもしれません。そして、さっきから偉そうなことを言ってきましたが……自分自身も清廉潔白な人間ではありません。こんな自分が人の揚げ足をとるようなことをして…と思う気持ちもありますが、それでもどうしても表現したいという衝動が原動力になっています。数年前、小さな子どもが成人したばかりの男性に殺されるという痛ましい事件がありました。その衝撃的なニュースを聞いた時、私も同年代の娘を持つ親として「これは何か残さないといけない」という思いに駆られ、黒い生地に黒い文字でその事件に関する英文をプリントしたTシャツを制作しました。一見するとただの黒いTシャツですが、私にはそれを作る意味があったんです。

世相を着る。ジジのオリジナルTシャツの楽しみ方

 

ーーそれでは最後に、菊竹さんにとってオリジナルTシャツデザインとはどんなものでしょうか?

 

菊竹さん:自分と社会を繋ぐもの」ですね。Tシャツは絵が描ける人なら始めやすいし、デザインを通して社会的に意味のある何かを発信することもできます。でも冬場は全然売れなかったり……(笑)

続けることは大変ですが、これからも社会に対して“小さな石”を投げ続けていきたいです。

Tシャツを持つ菊竹さん

 

お話を聞いている間も言葉を慎重に選び、困ったように眉間にしわを寄せるその表情からは、エッジの効いた作品の裏に隠れた、クリエイターならではの葛藤が垣間見えました。

 

 

みなさんも、ちょっと気になるニュースがあったときには、菊竹さんのように、オリジナルTシャツで楽しく(ときに真面目に)表現してみてはいかがでしょうか?

 

そのときには菊竹さんがおっしゃっていたように、

「自分の主張は入れない」

でも

「表現したい、という原動力で進む」

ことを大切にすると良いかもしれません。

 

Interview & Writing & Photo:下條信吾(KaRaLi・Tropicos)

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bnr_T-shirt03スウェット・パーカ―上下

オリジナルTシャツ400円~ オリジナルパーカー1830円~

【取材協力】 菊竹進さん

1972年 福岡生まれ。Tシャツショップ「P&M」代表。

デザインレーベルは、スモールデザイン(シンプル&パロディ)、ジジ(時事ネタ)、スーベニア吉祥寺(吉祥寺ネタ)の3つを展開している。

 

■オンラインショップ: http://smalldesign.jp

 

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