大切な人の大切な節目には、オリジナルグッズをプレゼントする、人気居酒屋店主の心意気とは。

恵比寿「焼貝あこや」、高円寺「焼貝あぶさん」、鶯谷「焼貝うぐいす」、今や予約で連日満席の焼貝専門店がある。これらの人気店を作り上げてきた店主、延田然圭さんは料理番組に出演したり、料理本を出したりするなど貝料理界ではちょっとした有名人だ。

そんな延田さんに繁盛の秘訣を聞いたところ、

すべては常連さん、周りの仲間のおかげです。僕らは周りのみんなに支えられてますよ。

 

そう謙虚に語る彼は、彼なりのやり方で常連さんや仲間たちをとても大切にしている。

例えば高円寺の焼貝あぶさんでは、周年記念に毎年赤字覚悟で、有名酒蔵の日本酒やビールなどドリンク類全て100円キャンペーンを実施したり、常連さんだけを集めた花見、BBQ、忘年会などのイベントを定期的に開催したりしている。まさにお客さんというより、仲間という表現のほうの方がしっくりくる。

常連さんがデザインするオリジナルTシャツ

さらには数年に一度、周年記念オリジナルTシャツを作成して、常連のお客さんたちに配ったりもしている。しかもこのTシャツは、常連のお客さんがデザインしているのだがその顔ぶれがすごい。画家の五木田智央氏や、グラフィックデザイナーの井口弘史氏など人気のアーティストが手がけており、常連さんだけがもらえる、なんとも羨ましいレアTシャツなのである。

仲の良い飲食店仲間の周年記念や、開店記念でも、オリジナルTシャツやオリジナルグッズをプレゼントするそう。

最近では、阿佐ヶ谷の人気店「居酒屋 越川」が10周年を迎え、その記念に、オリジナルの前掛けをプレゼントした。デザインは友人のデザイナーにお願いし「越川のオーナーは神輿が好きだから、神輿をモチーフにしてほしい」とオーダーしたそう。その結果越川の店主は、オリジナルの前掛けをとても気に入り、周年記念の特別な前掛けのつもりが、自前で増刷しスタッフ全員に配り日常使いをしてしまったほど。さらにはこのデザインのスタッフTシャツまで作ると意気込んでいる。

なぜ、時間も手間もかかるオリジナルグッズを大切な人たちにプレゼントするのか。

 

この世に1つしかない特別なものを贈りたい。

それだけです。

新規開店や周年記念っていうのは、お店を出す側からすると本当に特別です。

そんな特別な日には、特別なものを贈りたい。

 

あぶさんの周年記念で五木田くんや井口くんにデザインをしてもらったのは、彼らが有名なアーティストだから特別なのではなく、常連さんが作ってくれたことが僕たちにとっての特別。常連さんが作ってくれたTシャツを、常連さんたちに配る。いまだにこの7年前くらいに作った周年記念のオリジナルTシャツを着てあぶさんに来店してくれる方も多いです。

3周年記念で井口弘史氏にデザインしてもらったというオリジナルTシャツ

 

オリジナルラベルの箕面ビールを、五木田智央氏がデザインし、それをオリジナルTシャツ化したもの。

あぶさんは高円寺という場所柄、音楽好きや実際に音楽をやっているお客さんが多くて、じゃお客さんだけの音楽祭をやろうってことになり、毎年「あぶさんナイト」を開催していました。僕もラップしてましたよ。

 

あぶさんナイト2012のフライヤー

このあぶさんナイトもそうだし、オリジナルTシャツなどもそうだけど、他にはない自分たちのオリジナルには想いが宿って特別なものになります。特別であることは感動も違うし、記憶の残り方も違います。このTシャツは一生捨てられないし、もはや服の形をした僕の生きた証です。

取材協力

焼貝あぶさん

東京都杉並区高円寺北2丁目38−15

03-3330-6855

居酒屋 越川

東京都杉並区阿佐谷南3丁目37−5 米倉ビル 1F

03-3220-5477