ラメプリント【加工方法徹底解説】

ラメプリントは、シルクスクリーンプリントのオプション加工の一つで、ラメ粉(グリッター)を樹脂系インクに混ぜて刷る手法。

光を反射して輝く質感を生み、ステージ衣装やイベントTシャツなどで人気の特殊表現です。

特徴・仕上がり

ラメプリントは「粒子(フレーク)」をインク(主にプラスティゾルや専用ラメインク)に均一に懸濁させて刷る方式で、通常の顔料プリントとは別のワークフローを要します。

粒子がある分プリント面はややザラついた手触りになり(手触りの感覚は素材・配合で変わる)、ラメの種類(金銀メタリック、カラー、偏光など)と生地色によって見え方が大きく変わります。

粒が大きいほどメッシュは荒く(一般的に低めのメッシュ、例:30〜86メッシュのレンジ)、細かいディテールは潰れやすいため塗りつぶし領域主体のデザインに向きます。

仕上げにクリアオーバープリント(トップコート)を入れて粒を固定する手法も業界で用いられます。

メリット・デメリット

■メリット

高い視認性・輝き効果

光を反射する粒子により、通常のプリントにはないきらめきを演出。ステージ照明や屋外光下では特に存在感を発揮します。

・デザインのアクセントに最適

単色でもラメの色味や粒の大きさを変えることで印象が大きく変化。ゴージャス・ポップ・ファンタジックなど多彩な表現が可能です。

・通常のシルクプリント工程で対応可能

特殊機械を必要とせず、既存の版と印刷設備で加工できるため、既存ラインへの追加が比較的容易です。

・印刷膜が厚く立体感が出る

ラメ粒子とインク層の厚みが加わることで、わずかな段差やツヤ感が生まれ、デザインに奥行きを与えます。

 

■デメリット

・細かい表現に不向き

ラメ粒子が大きいため、線の細い文字や繊細な模様は潰れやすく、最低でも2mm以上の線幅を確保する必要があります。

・剥離・摩耗のリスク

粒子が表面に出ているため、摩擦や洗濯でラメが落ちやすい傾向があります。裏返し洗い・ネット使用などのケアが推奨されます。

・版詰まりや作業効率の低下

粒が大きく重いため、メッシュの目詰まりやスクリーンの磨耗が起こりやすく、通常より頻繁な清掃・版交換が必要です。

・コストアップ要因

ラメインクやトップコートなど専用材料が必要となり、印刷単価は一般のシルクプリントよりやや高めになります。

おすすめの用途

ダンス衣装・ステージ・イベントスタッフウェア・学園祭・チームユニフォームなど、遠目で目立たせたい用途に最適。

ワンポイント〜大面積のベタ表現が特に映える。

FAQ

Q1. 細かい文字や細線はできる?
基本的に不可。ラメ粒子のために線が潰れやすく、最低でも線幅2mm程度の太さや塗り主体のデザインを推奨します。

 

Q2. 洗濯でラメは落ちる?日常使用での耐久は?
通常使用で経年とともに摩擦や洗濯で減ることがあります。洗濯は裏返し・ネット使用が有効。トップコートである程度固定できますが、完全に「剥がれない」とは言い切れません。

 

Q3. 濃色ボディにそのままプリントできる?
ほとんどの場合は白下地(白引き)や強いベースを入れてからラメを重ねます。下地を入れないと発色が沈み、ラメ感が出にくいことがあります。

 

Q4. どのくらい細かいグラデやハーフトーンは不可?
ハーフトーン・微細グラデは粒で埋まり再現困難。ハーフトーンの代替はメタリック転写やデジタル転写(メタリック)など別手法を検討すると良いです。

歴史

ラメ(グリッター)そのものは20世紀初頭〜中盤にかけて加工素材として普及し、現代的なプラスチック製グリッターは1930年代に製造が始まったとされます。

一方、シルクスクリーン印刷は写真感光製版の登場で20世紀初頭に工業的に発展し、アパレルへの応用は戦後以降に拡大しました。

ラメをインキに混ぜる表現は、スクリーン印刷の“特殊効果”技法の一つとして普及し、材料(ラメ粒、樹脂、オーバーコート)や専用メッシュの進化とともに現在の定型的なラメプリント技術が確立されました。

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