四色分解【加工方法徹底解説】

四色分解(CMYKプロセス)は、元画像をシアン(C)/マゼンタ(M)/イエロー(Y)/ブラック(K)の4つのチャンネルに分け、それぞれを網点(ハーフトーン)にして版を作り、色を重ねてフルカラーを再現する印刷手法です。

Tシャツ印刷では網点処理と版ズレ対策が重要です。

特徴・仕上がり

四色分解は「点の重なり」で多彩な色を見せる考え方で、各色のチャンネルは独立して網点化され、重ねることで中間色や階調を再現します。

紙物のオフセットと違い、衣料物(特に濃色)に刷る場合は白インクの下引き(下地/下引き)を入れてからCMYKを乗せる手法が一般的で、これにより濃色生地でも鮮明な発色が得られます。

網点の線数や角度、網点形状を調整すると仕上がりの見え方やモアレ発生に大きく影響します。

メリット・デメリット

■メリット

・写真表現が可能

網点による階調表現で写真・グラデーションをTシャツ上に再現できる。

・版数を抑えて多色表現

特色(スポット)を大量に使うより、4版で広い色域を表現できる(小〜中ロットで有利な場合あり)。

・データワークで調整しやすい

Photoshop等で網点・線数・角度を細かく調整できるため、画像最適化が可能。

 

■デメリット

・工程が複雑

網点化→ネガ制作→製版→4回刷り(+白下引きが必要ならさらに版)と手間が増える。版ズレや目合わせ(登録)精度が品質を左右する。

・濃色対応の追加処理

黒シャツ等では白下地を入れる必要があり、白の網点設計やトッピング順序が難しい(下地が厚くなると風合いが変わる)。

・網点の視認・モアレ

線数やスクリーン角度の管理を誤るとモアレ(縞模様)が出る。衣料向けでは線数を抑えめ(粗め)にすることも多い。

おすすめの用途

写真や複雑なグラデーションを含むデザインのTシャツ、フォトTシャツ、少~中ロットでフルカラープリントを求める注文に向いています。

濃色生地へは白下引きを含めた工程が前提になります。

FAQ

Q1. Tシャツで四色分解はどうやって作るの?
元画像をCMYKへ変換し、各チャンネルをモノクロの網点(ハーフトーン)にしてネガを作り、各色ごとに版を作って順番に刷ります。濃色なら白の下引きを先に刷ることが多いです。

 

Q2. 網点の角度や線数はどう決める?
モアレ回避と再現性を考慮して角度と線数を設定します。印刷物・機材・生地によりますが、角度の管理(例:C/M/Y/Kをずらす)は基本です。衣料向けは線数を紙物より粗めに設定することが一般的です。

 

Q3. 黒シャツに写真を刷りたいときの注意は?
白下引き(ハーフトーンの白ベース)+上からCMYKで“トッピング”する設計が必要。白下地の濃淡設計で陰影が決まるため、データ段階で十分な調整とテストが必要です。

 

Q4. 四色分解と「シミュレーテッドプロセス」の違いは?
四色分解は純粋なCMYKで表現する方式。シミュレーテッドプロセスはCMYKに特色やスポットカラーを混ぜて、より広い色域・肌色再現や高精度の写真表現を狙う手法で、特に衣料の濃色や厳密な色再現で使われます。

歴史

四色分解の概念は写真的・オフセット印刷の進化と共に確立しました。写真・フィルム技術の発達で画像をチャンネル分解して版にする手法が一般化し、オフセット印刷でのカラー再現の基礎となりました。

その後、スクリーン印刷技術(Tシャツ等のアパレル分野)に応用され、ハーフトーン版とスクリーン角度の調整で衣料向けのカラー表現が可能になりました。

近年はデジタル画像処理(Photoshop等)と製版技術の進化で、小ロットでも比較的再現しやすくなっています。

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