オリジナルポロシャツを着る英語劇のメンバー

英語劇グループの絆と信頼の証。ポロシャツに宿る大学4年間の想い

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麗澤大学の部活動として40年以上も前から続く「英語劇グループ」。大学内はもとより近隣に住むネイティブたちも毎年の恒例の公演を楽しみにしているほど、本格派舞台として有名です。英語・演出・演技、すべてにおいてクオリティが高く、感動を巻き起こす舞台を創り上げています。

 

そんな英語劇グループのメンバー全員が大切にしているアイテムがオリジナルポロシャツと、演目ごとに制作するポロシャツ。4年生の大瀧優樹さん、小金井菜都(なつ)さんにインタビューしました。

「言葉の壁を超えて心に響く演劇」「互いを認め合える環境」に惹かれ入部を決意

オリジナルポロシャツを着る英語劇のメンバー

―― 英語劇の部活に入ろうと思った動機を教えてください。

 

大瀧さん 大学に入学した直後、部活動紹介の期間があり、20分くらいの小劇を観たんです。そのときの先輩たちの演技に惚れて「学生でもこんなに人の心を動かせるんだ」と衝撃が走りました。当時は英語をほとんど聞き取れない状態だったのに、表情、身振り、手振りから伝わってきて、感動したんです。演技未経験でしたが、「自分もやってみたい!」と思いました。

 

小金井さん 私もそのときに先輩たちの舞台を観て感動しました。ただ、入部を決めた理由は、部の雰囲気です。舞台を観たあとに部室で開かれた歓迎会に出席したのですが、そこでの先輩たちの接し方に温かさを感じました。みんな平等で、一人ひとりの個性を認め合い、先輩後輩関係なく意見を言い合えて協力し合える。「こんな温かい団体だから素晴らしい演劇ができるんだ」「ここなら私も自分らしくいられそう」と思ったんです。

 

―― 入学当初、英語はどれくらいできたのですか?

 

大瀧さん 日常会話なら話せましたが、聞き取りは少し苦手で。練習中から指導はすべて英語で、発音、イントネーション、アクセントを顧問のトリキアン先生から細かく指導されました。

 

小金井さん 私も英語が得意ではありませんでした。今でもそんなに得意だとは思ってないですけど(笑)。だけど、外国に行ったときに「道がわからなければ、現地の人に聞いちゃおう」と度胸はつきました。

「舞台の世界に生きている」高揚感。目的が同じだから個性が光る

練習風景

―― 4年間を通じて最も印象に残っていることを教えてください。

 

大瀧さん デビュー舞台『ロビンフット』の練習でのことです。音響や照明を使った練習があり、劇の最初に音楽が流れてくるんですが、それを聞いた瞬間に身体中がゾワゾワしました。「うわっ!俺はこの劇の中にいるんだ!」という高揚感が起きたんです。

 

小金井さん 私も彼と全く同じなのですが、あえて違うことを言うなら……(笑)。高校の部活動では部長としてみんなをまとめていたのですが、かなり軋轢があって苦労しました。だから、この部活に入ったときは「みんなの中の一人として大人しく活動していこう」と思っていたんです。にもかかわらず、ある日、先輩から学年のまとめ役を頼まれてしまって。高校のときと同じようなことが起きたら嫌だった私は、同期の仲間に正直に相談しました。すると、「ここには、そんな人はいないよ」と言ってもらえたんです。この言葉に救われましたね。

 

―― お二人にとって、この部活はかけがえのないものなんですね。

 

大瀧さん 「みんなで何かを創るっていうことが、こんなにも楽しいものなんだ」っていうのを、ここに入って気づきました。

 

小金井さん ここに集まってくる人はみんな個性的で、周りから「よくこのメンバーで、まとまって作品を創れるね」って言われるんですけど(笑)。同じ目的に向かっているからこそ、それぞれの個性がプラスになる。「誰一人、その人にはなれない」「みんな、それぞれが光っている」と思える場所なんです。

4年間の思い出がいっぱい詰まった部活動のオリジナルポロシャツ

オリジナルポロシャツ

―― オリジナルポロシャツはどんなときに作るのですか?

 

大瀧さん 1年生のとき、最初の前期舞台の後にもらえるのが黒色のポロシャツで、これは全員共通です。前期公演、後期公演(同じ演目で2回上演)、そして4年生だけが出演する卒業公演と年に4回公演をしていますが、主公演である後期公演に合わせてその年のポロシャツを作っています。卒業公演は4年生だけで揃えることもありますが、4年間で5枚のポロシャツ(毎年の後期公演に合わせて作るポロシャツ4枚+卒業公演で作るポロシャツ1枚)を作ります。

 

―― ポロシャツは、どんなときに着るのですか?

 

大瀧さん 公演期間中は必ずポロシャツを着て登校しています。それから、練習中にも着ていますよ。本当は普段も着用して登校したいんですけど、ポロシャツを着ていると友人から「今日、練習なんだ」と言われたり、他の部員に「今日って練習あるんですか?」と誤解させたりしてしまうので(笑)。

 

小金井さん ちなみに、1年生が黒ポロシャツを手にするのは、1年生が初めて舞台に立つ前期公演後の懇親会の席なんです。先輩たちと先生も黒ポロシャツを着て、「公演、お疲れさま。これからも一緒にやっていこうね」と、1年生一人ひとりに渡していきます。

オリジナルポロシャツ

―― 黒のポロシャツの後ろにプリントされている「STRIVE TO DO BETTER」とはどんな意味なんですか?

 

大瀧さん 英語劇グループのモットーで「さらなる向上を目指して奮闘せよ」。別の言い方をすれば「前の日の自分を常に越えていけ」という意味ですね。

 

―― 卒業された後も素敵な思い出のアイテムになりそうですね。

 

小金井さん 卒業後は静岡で働きますが、黒とお気に入りのポロシャツを持って行こうと思っています。たまに見返すと、元気が出るかなと思って。パジャマや部屋着には使いたくなくて、自分の中では「元気の源」にしたいですね。

 

大瀧さん 僕はずっとタンスにしまっておくより「使ってあげたい」気持ちが強いです。普段着としても着ようと思いますね。

演劇もポロシャツも、学生とのコラボレーションによって創られる

顧問のトリキアン先生

この後、25年にわたり英語劇グループを指導している顧問のトリキアン先生にもお話をうかがいました。

 

―― この黒のポロシャツをお作りになったのはいつ頃ですか?

 

8年ぐらい前ですね。この胸のロゴはシェークスピアと麗澤大学のロゴをあわせてデザインしたもので、35年以上前に作られたものです。

 

―― トリキアン先生にとっても、このポロシャツは大事なものなんですね。

 

もちろんです!演目ごとのポロシャツは部活の美術担当の学生がデザインしますが、私と話し合いながら作っています。黒のポロシャツの後ろのイラストは私が描いていますし。

 

―― 大瀧さんと小金井さんは「最も印象に残っていること」として、最初の舞台で味わった高揚感と答えてくれました。

 

きっと、そうだろうと思いました。演劇とは、衣装や照明、舞台設定、音響などの力を借りながら、違うキャラクターを演じたり、違う世界に入っていったりするものです。そのため、最初の印象が心に強く残るというのは、とてもよくわかります。これは、経験したことのある人間にしか味わえない感動だと思いますね。

 

―― 舞台を創るおもしろさはどこにあるのでしょうか?

 

さまざまなキャラクター、照明・衣装・音響などを組み合わせていって、一つの劇を完成させる、そのことが楽しいですね。いわば、私はオーケストラの指揮者の役割です。

 

この活動は、学生なしではできません。私と学生と、人間同士のコミュニケーションができているからこそ、コラボレーションして創り上げられるのだと思っています。

部活動ポロシャツは、駆け抜けた4年間で深く結ばれた絆と信頼の証

オリジナルポロシャツを着る英語劇メンバー

卒業公演を1週間後に控えた慌ただしい時期に快く取材を受けてくれた大瀧さん、小金井さん、トリキアン先生。

 

つい先日のこと、大瀧さんが他の4年生と大道具を作っていたとき、「あと1週間かと思ったら、涙が出て作業ができない」と相手の男子学生が言ったそうです。「彼は幸せだと思います」と大瀧さんが言うと、「私たちみんなが今の状況を幸せに思ってるよね」と小金井さん。4年間を一緒に駆け抜けてきたからこそ、深く結ばれた絆と信頼。その証として、みんなの心の拠り所として、オリジナルポロシャツが存在しているのだと感じました。このポロシャツは、英語劇グループの部員たちにとって“宝物”なのでしょう。

 

Interviewer&Writer:佐藤美の

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麗澤大学 英語劇グループ

【取材協力】麗澤大学 英語劇グループ

麗澤大学所属

麗澤大学で40年以上前から続く部活動。毎年、英語劇を4回公演している。顧問のトリキアン先生は、麗澤高校の教諭として来日後、母国イギリスで英語教育や演出を学びなおし、再来日。25年前から英語劇グループの顧問として脚本・演出を手がけている。近年は、近隣の中高生向けに英語劇ワークショップを開催するなど、外部への情報発信にも力を入れている。■HP http://www.reitaku-u.ac.jp/clubs/clubs36.html

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