オリジナルTシャツができるまで。プリント工場に潜入取材!

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あなたの手がけたデザインがプリントされるオリジナルTシャツ。どのように作られているか、気になったことはありませんか?

 

今回は、Tシャツのシルクスクリーン印刷をメインに、製版からプリントまでをワンストップで行う株式会社ゲイトの工場にお邪魔しました!

シルクスクリーン印刷のオリジナルTシャツは手作業で作られている!?

案内してくれたのは同社専務で営業担当の丹保将大さん。工場を取りまとめる若きリーダーです。

 

まず、素朴な質問を投げかけてみました。

 

―― 「シルクスクリーン印刷」って何ですか?

 

「シルクスクリーン印刷」は、ステンシルのように型を作って上からインクを乗せる印刷方法です。「製版」と「プリント」の2工程に分かれます。

 

製版工程では、「紗(しゃ)」というメッシュ状の布に、インクを乗せたくない部分に「乳剤(にゅうざい)」で目止めをして「版(はん)」を作ります。なお、紗は今でこそ化学繊維が主流ですが、かつては絹の布が使われていたため、この印刷方法は「シルクスクリーン印刷」と名付けられました。

 

一方、プリント工程では、Tシャツの上に製作した版を乗せ、「スキージ」というゴムベラを使ってインクを手作業で塗ります。このとき、目止めをしなかったメッシュ部分を通ったインクだけが布の上に乗るため、複雑なデザインも再現できるのです。このようにして、Tシャツの上にロゴやイラストが刷られます。

 

―― 手作業なんですね!

 

日本にあるシルクスクリーン印刷の工場の多くは今でも手作業で印刷しています。弊社でも99%の作業が手作業。そのため、言われたことをこなす“作業者”ではなく、ひとりの“職人”として、スタッフたちは常に技術向上を目指しています。

 

―― ところでシルクスクリーン印刷のメリットは何なのでしょうか?

 

シルクスクリーン印刷のメリットは、使用する材料によりさまざまな表現が可能であることです。ラメ入りなど特殊な色や膨らむ発砲インクなども使用できます。

 

1色につき1版が必要になるため、ひとつのデザインで使う色の数が増えるほどコストは高くなりますが、同じデザインのTシャツなら、1枚作るのも50枚作るのも版の数は同じなので、ある程度の数を刷る場合に向いていますね。

 

―― 丹保さんのお話をうかがって、シルクスクリーン印刷の概要を理解することができました!

 

それは良かったです。では、工場内をご案内しましょう!

シルクスクリーン印刷の工程その1「版下」

「版下」とは、デザインや指示書をもとに、パソコン上で修正を加えた下書きです。透明なフィルムにインクを乗せる部分が黒色で出力されます。

 

この工程では、単にデザインや指示書をフィルムに出力するのではありません。例えば、クラスの全員の名前が入ったクラスTシャツを作る場合。そのまま出力してしまうと、画数の違いなどから、文字の見え方に差が生じることもあるそう。全員の名前が同じ見え方になるよう、実は個々の字の大きさを調整しているのです。

 

「画数の多い名前や難しい漢字の名前もきれいに印刷してあげたいですから」と丹保さん。その優しさに震えます。

 

また、プリントするのは繊維の凹凸がある布地のため、細い線を太くしたり、熱による素材の縮みやインクが流れて広がったりすることなども考慮して緻密に調整しなければなりません。

似顔絵などの多色刷りは、さらに難易度がアップ。木版画と同じように1色ずつの版下を作りますが、重ねた刷りがズレないようにするのは当然ながら、どのように色を切り分けてデザインに近づけるかで力量が問われます。デザインの再現が、版下担当の腕の見せどころだそうです。

シルクスクリーン印刷の工程その2「製版」

「製版」は文字通り、シルクスクリーンの「版」を製造する工程です。

 

デザインの大きさや柄によってアルミ枠のサイズと紗の目の細かさを決め、その枠に紗を張ります。

紗を張ったら、続きの作業は暗室で。スキージを使って青緑色の乳剤を紗に塗り、乾燥させます。

乳剤を塗布する作業はリズミカルで簡単そうに見えますが、手早く均等に塗るには長年の経験が求められます。

 

そして、「感光機」という機械の上に版下のフィルムと版を乗せ、光を照射。企業秘密のため、撮影はできませんでしたが、仕組みは以下の通りです。

 

光を当てることで乳剤は固まりますが、ロゴやイラストが描かれたフィルムの黒色部分は光を通さず、そこは乳剤が固まりません。水洗いすれば、固まっていない乳剤は流れ落ち、ロゴやイラストのデザインに沿ってプリントできる「版」ができあがります。

 

水気が切れたら、乳剤が固まっている部分に穴開きがないかを入念にチェック。

見つけた穴は刷毛で乳剤を塗ってふさぎます。

シルクスクリーン印刷の工程その3「プリント」

プリントする位置を考えながら、プリント台にTシャツを伸ばし広げます。台の表面は軽い粘着性があり、Tシャツがズレにくい工夫が凝らされていました。なお、プリントする場所が腕などの狭いエリアであれば小さな台にTシャツをセッティングします。

 

次に、インクの調合です。熱を与えると布地にインクを固着させる糊のような役割を果たす「水性バインダー」に水性顔料を混ぜ、デザインに合致する色を作ります。紙コップ一杯の水性バインダーは、水性顔料1滴で充分に色づくため、色の調合は非常に繊細で難しいもの。大手の工場では、色調合の専門家がいることも。

 

「当社は若い会社ですが、同じくTシャツプリントの会社を営む父の会社から、パントンと呼ばれる色見本帳に約30年間分の調合を書き込んできた『秘蔵の色レシピ』を共有しているのが強みです。もちろん、レシピは日々増え続けています」と丹保さんは胸を張ります。

 

そして、いよいよプリントへ。「型描き」(プリント担当職人)がTシャツの上に版を置き、自ら調合したインクを版の上にドロリと乗せ、スキージを上下に1往復。

すると、デザインが鮮やかにプリントされます。1枚ずつ丁寧な手作業ながら、次々刷り上がっていく光景は圧巻!スピードを重視しなければインクの粘度が変わってしまって、色合いがおかしくなったり、メッシュ部分が詰まってかすれたりするため、スピードは欠かせません。

熱乾燥機と自然乾燥でインクを丸1日乾かせばオリジナルTシャツの完成です!

最後に、プリントされたオリジナルTシャツはすべて検品。

 

「素晴らしいプリントで仕上がっても、インク汚れがあれば、お客さまはがっかりされますから。専任スタッフがしっかりとチェックしています」と丹保さんは言います。

 

検品されたオリジナルTシャツは丁寧にたたんで包装され、あなたの元へ出荷されます。

オリジナルTシャツは、職人の魂が息吹く努力の結晶

「シルクスクリーン印刷」という言葉は知っていましたが、印刷の技法や工程を工場で目の当たりにし、実はほぼ手作業で、職人の魂が息吹いていることに驚きました。

 

作り手一人ひとりが職人としての高い意識を持ち、日々努力を惜しまないからこそ、満足のいくオリジナルTシャツが手に入る――。「もっと大切にTシャツを着たい」と自然に頭が下がる、そんな充実した取材となりました。

 

株式会社ゲイトのみなさん、ありがとうございました!

 

Interviewer&Writer:児島奈美

【取材協力】丹保将大さん

株式会社ゲイト 専務(営業担当)

平成21年6月、父が立ち上げた「株式会社ゲイト」の営業を担当。型描き職人で工場長を務める弟とともに、兄弟で会社を支え合って切り盛りしている。真摯に取り組む若手職人が少数精鋭で働く同社は、品質の良さとスピーディな対応でTシャツプリント業界から厚い信頼を寄せられている。■HP:http://www.gate-print.com

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