一生懸命は楽しい!STUDIO SPACE Nが考える、楽しさがもたらす価値とは。
「とにかく、とにかく楽しんで欲しい。」
そう真っ直ぐな目で語るのは、川崎市武蔵新城にある、STUDIO SPACE Nの人気講師RYO-Tさんだ。ここではキッズダンスを中心にヒップホップダンスを教えている。
入口入ってすぐにカラフルなオリジナルTシャツが飾ってある。
「このTシャツは、うちのオリジナルTシャツです。
今度発表会があるのですが、その時はまた新しいオリジナルTシャツを作るんですよ。」
RYO-Tさんはどんな質問にもハキハキと笑顔で答えてくれる好青年だ。そんな彼にダンスを教えることへのこだわりを聞いてみた。
「ダンスは結果で見られがちですが、僕は結果を重要視していません。」
ダンスを始めると、練習の成果を発表する節目として、発表会や大会にでる場合が多い。 その際に、振り付けが揃っていたとか、順位がどうだったとかそういう“結果”は気にしないということだ。
「僕は、どれだけ楽しんでその目標に向かって行ったか、そのプロセスのほうが大切だと思っています。
もちろん、本気で上を目指している子は勝ち負けにこだわって大会に挑むべきですが、皆が皆そういったモチベーションでダンスをやる必要はないと思っています。
レッスンは基本チーム競技ですが、皆が同じレベルだとは限りません。そのため、なかなか上達しない子も中にはいます。そうなるとその子は、除々に孤独感や劣等感を感じるようになり、ダンスを楽しめなくなってきます。」
「もし出来ない子がいたら、その時はできる子に教えさせます。子供同士のコミュニケーションや仲間意識の向上という意味もありますが、これまで感覚で出来ていた子がいざ人に教えようとすると結構難しいんです。人にわかりやすく教えるためには感覚を体系化して十分に理解しないといけないので。それができるとその子はさらに上手くなります。」
発表会専用のオリジナルTシャツがもたらす効果
お揃いのオリジナルTシャツで挑む発表会の様子
「年に何度かこれまでの成果を披露する発表会があります。
ここではその発表会のために作ったオリジナルのTシャツを皆で来て壇上にあがります。発表会というわかりやすい目標と、皆お揃いのオリジナルTシャツという連帯感が生まれることによって、子どもたちのモチベーションはグッと高まります。」
「それでも僕のクラスは発表会までのプロセスを大切にし、楽しんだもん勝ちというスタンスを変えません。」
インストラクターではなく教育者という自覚
「僕はインストラクターとか講師とか、ただダンスを教えるだけの人だとは思っていません。むしろ、教育者のような気持ちで子どもたちと接しています。ダンス以外のコミュニケーションや人間力をとても大切にしていますし、ダンスが上手くなること以上に、一生懸命やることの楽しさを伝えたいんです。」
自分も初めは下手くそだったからわかる初心者の気持ち
RYO-Tさんがダンスを始めたのは20歳の頃。
RYO-Tさんが生徒やその保護者から絶大な支持を受けるのもうなずける気がする。
彼自身に子どもや保護者から支持されている理由を聞いてみた。
「それは誰よりも初心者の気持ちがわかるからだと思います。」
バイト先のダンスをやっている先輩のカッコよさに衝撃を受けて、その後スポーツ系の学校に進学した際に、学校のサークルで本格的にダンスを始めた。
彼がスポーツ系の学校に進学したのは、これまで運動で他人に負けたことがないというくらい、運動には自信を持っており、自然とスポーツに関連する仕事に就きたいと思っていたからだ。
そんな運動負け無しの彼がスポーツ系の学校に進学すると、彼くらいの運動神経の生徒は周りにゴロゴロいたという。
そして、カッコイイ先輩に憧れて入ったダンスサークルでは、彼が一番下手くそだった。
初めての挫折である。
はじめは出来なくて当たり前
「当時はメチャクチャ悔しかったですよ。
なんでこんなことができないだって。
ものすごい孤独感だったし、今思えばなんでもっと丁寧に教えてくれなかったんだろうと思います。
その頃の孤独感を僕の生徒には味わせたくないですね。」
「はじめは出来なくて当たり前なんだから、劣等感や孤独感など味わう必要なんてないんです。
僕に関わった全ての人にダンスは楽しいと感じさせたいです。
人生楽しんでないやつって、グチとか不満ばかり言う人間が多いと思うんです。
何か心から楽しい!といえるものがあれば、不満など言ってる暇なんてありません。
営業マンは売上を上げることが価値だったりもしますが、僕らの価値は“楽しい”を感じてもらうことだと思っています。
これからも僕が大好きなダンスを通して、一生懸命は楽しいんだぞ!っていうことを伝えていきたいですね。」